RAGを社内で安全に使う方法

LlamaIndex

仕事でAIを使う機会が増えてきていると思います。
一般的な知識やネット上にある情報なら、ChatGPTのようなAIがすぐに答えてくれます。
しかし、社内情報については、そのままでは答えてくれません。
「自社の情報も活用できたらもっと便利なのに・・・」と感じたことはありませんか?
それを実現できる仕組みが RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成) です。

RAGの仕組み

RAGは「検索(Retrieve)」と「生成(Generate)」を組み合わせた仕組みです。流れはシンプルで、次の3ステップになります。

1️⃣ 質問をベクトルに変換する
 「ベクトル」とは、文章を意味的に理解できるように数値にしたものです。

2️⃣ ベクトルDBを検索する(Retrieve)
 あらかじめ社内ドキュメントをベクトル化して保存しておきます。
 AIが質問のベクトルと似ている情報を探し出します。

3️⃣ LLMで回答を生成する(Generate)
 ユーザーの質問と検索結果をあわせてLLMに渡し、わかりやすい文章として答えを作成します。

RAGの課題

🔎 検索精度への依存

 RAGはベクトルDBから「質問に近い情報」を取り出して使います。
 もし関連する情報が見つからなければ、正しい回答は得られません。
 そのため、
  ・質問が検索に適していること
  ・DBに格納するデータが整理されていること
 が重要になります。

📊 集計や計算には弱い

 RAGは基本的に「検索+要約」の仕組みです。
 在庫合計や売上ランキングのような数値計算や集計処理は苦手です。
 こうした処理は、SQLデータベースやBIツールと連携させるのが有効です。

🔄 DB更新の手間

 社内ドキュメントをベクトルDBに登録しておく必要があります。
 そのため、内容が更新された場合は再インデックス化が必要です。
 運用段階では「定期的に再取り込みする仕組み」を考えておく必要があります。

LlamaIndexとは

LlamaIndex は、LLMと外部データソースをつなぐためのフレームワーク/ライブラリです。

「LLMに社内データを読ませたいけど、どう効率的に検索させるのか?」という課題を解決するために作られました。

この LlamaIndex と Ollama を組み合わせれば、ローカル環境に構築でき、外部にデータを出さずにRAGを使用することができます。

LlamaIndexが便利な理由

✅️ データ接続が豊富
 PDF、CSV、データベース、Notion、Google Drive などを簡単に取り込めます。

✅️ ドキュメント分割とインデックス化を自動化
 大量の資料を自動で小さく分割し、ベクトル化してDBに登録してくれます。

✅️ フレームワーク的に扱える
 PythonやTypeScriptから簡単に呼び出せるので、既存システムに組み込みやすいです。

✅️ RAGの拡張が可能
 単純な検索+生成に加えて、SQLデータベースや複数データソースを組み合わせた、
 「ハイブリッドRAG」にも対応しています。

まとめ

RAGは、LLMに外部知識を組み合わせる仕組みです。
社内ドキュメントを活用すれば、AIが「自社専用の知識を使った回答」を生成できるようになります。

一方で、検索精度・DB更新の手間・数値処理の弱さなど課題もあるため、導入時には工夫が必要です。
特に機密情報を扱う企業では、ローカルLLM × ベクトルDB の組み合わせが有力な選択肢になるでしょう。

次回、LlamaIndexとOllamaを使って実際にRAG環境を構築してみたいと思います。

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